常寂光寺は京都市右京区嵯峨小倉山小倉町にあり、紅葉の見事さは名所ぞろいの京都でも屈指の美しさを誇ります。
開基は日禎という日蓮宗の高僧で、1595年に建立されたお寺です。
日禎は当時日蓮宗本圀寺の住職でしたが、その後歌人藤原定家の山荘があったとされるこの場所を
隠居の地と定め、ここにお寺を建立しました。
日禎自身が歌人でもあり、平安時代の歌人藤原定家に憧れと尊敬を持っていたものと思われます。
藤原定家は有名な小倉百人一首の選定者ですが、小倉の名前はここ小倉山から取ったといわれています。
また名前の由来はここの場所には仏教の理想郷である常寂光土の感があるところから常寂光寺と名づけられたようです。
そんな歴史のある常寂光寺ですが、嵯峨野の紅葉では隋一とも言える素晴らしさを持っています。
境内に入るとまず目に飛び込んでくるのが仁王門です。ここの仁王像は運慶作といわれています。
もともとは本圀寺客殿の南門にあったものを日禎が1616年に移築したとされています。
ここの紅葉で一番美しいのが仁王門付近の紅葉で、まるで紅葉のトンネルの下を歩いているような感じです。
また苔むした茅葺き屋根の黄緑としなだれかかる紅葉の色合い、風情、とにかく見事の一言。
紅葉の発色も素晴らしく、京都でも指折りの見事さだと思います。
特に仁王門をくぐって石段を上がり、鐘楼を巻いて斜めに下りてくる参道から見る角度がオススメ。
赤、オレンジ、黄色に苔の緑と仁王門の壁の白、見事な色合いでしばらくここを離れる気がしなかったほど。
常寂光寺の本尊は十界大曼茶羅です。また、もっと上がってゆくと、1620年辻藤兵衛尉直信建立といわれる重要文化財の多宝塔があります。
なお、常寂光寺には駐車場はありません。今回は二尊院の前の10台ほど停められる無料駐車場に車を停めて歩きました。
しかしここも混雑するとすぐ満車ですので、停められるとは限りません。
拝観料は300円ですが、ここの紅葉は嵯峨野の紅葉狩りでは絶対外せないスポットです。
京都常寂光寺の紅葉の見頃は11月下旬〜末ごろです。仁王門付近の紅葉は特に見事でした。
常寂光寺の紅葉
嵯峨野の常寂光寺は京都屈指の紅葉の名所の一つです。