二尊院は京都市右京区嵯峨野にある比叡山延暦寺に属する天台宗延暦寺派のお寺です。
834年に嵯峨天皇の勅願で天台宗の慈覚大師が開祖となって建立されました。
一般的には二尊院と呼ばれていますが正式名称は「小倉山二尊教院華台寺」と呼びます。
京都を舞台にした応仁の乱(1467〜1477)の戦火を受けて建物はほぼ全焼してしまいましたが
その後本堂と勅使門(唐門)など一部建物だけが1521年に再建されています。
二尊院の名前の由来は本尊に釈迦如来と阿弥陀如来の二つの本尊があることに由来します。
釈迦如来は人が誕生した時に送り出す「発遣の釈迦」と呼ばれ、また反対に
阿弥陀如来は他界する時に極楽浄土より迎えてくださる「来迎の阿弥陀」と呼ばれているそうです。
つまり二尊院の本尊である釈迦如来と阿弥陀如来は表裏一体、それぞれの役割があるわけですね。
この釈迦如来と阿弥陀如来は鎌倉時代の仏像で、有名な快慶の作といわれており、重要文化財です。
また入り口にある総門は伏見桃山城にあった薬医門を
江戸時代の豪商・角倉了以が1613年に寄進・移築したものだそうです。
さて、二尊院の総門で拝観料500円を払ったところで
紅葉(もみじ)の馬場といわれる両側にもみじが満載の紅葉スポットを歩きます。
今回行った時はすでに散り紅葉に入っている感じであまりパッとしませんでしたが、
紅葉の馬場を過ぎると白壁の本堂築地塀が現れます。
そこをくぐって中に入ると二尊院の本堂が見えてきますが、手前にある本堂前庭は
龍神遊行の庭園とも呼ばれているところで、昔龍女が遊んでいたが、
正信上人によって解脱昇天したという伝説をもとにして造られた庭だそうです。
本堂も京都御所の紫宸殿を基にして設計されたとも言われているそうで、床はうぐいす張りとなっています。
また本堂南にある石庭は寂光園と呼ばれ、極楽浄土の世界を現したとされています。
そういえば荒廃していた二尊院を再興した法然上人は浄土宗ですね。
嵯峨野の二尊院には前に車が10台くらい停められる無料駐車場がありますが、こちらはすぐに満車となります。
比較的行きにくい感じがしますが、二尊院は嵯峨野でもかなり人気のある紅葉スポットです。
二尊院の紅葉の見頃は11月中旬〜下旬頃、見頃ピークは下旬ではないかと思います。
常寂光寺と同時に訪れましたが、ややこちらの方が紅葉の散り方は早い感じがしました。
京都二尊院の紅葉
京都の紅葉の名所の一つ、二尊院の紅葉の壁紙写真です。