驕るもの久しからず、諸行無常のひびきあり、平家物語の巻頭に出てくる有名な言葉ですが
まさにこの祇王寺にまつわる物語もそれを地で行くものです。
祇王寺の名前の由来は平家物語に出てくる白拍子・祇王の物語に由来します。
平家全盛の頃、平清盛の寵愛を一人占めして華やかな暮らしをおくっていた白拍子・祇王でしたが、
そこに現れたのが仏御前という白拍子です。
清盛に門前払いされた仏御前を可哀想に思った祇王が清盛にとりなし、
仏御前が清盛の前で舞を披露することになるのですが・・・
それがあだとなり、仏御前に心変わりした清盛は今度は反対に祇王を追放してしまいます。
祇王に代わって自分がその座を射止めようと思わなかった仏御前は必死に辞退するわけですが・・・
またその後清盛は追放した祇王に仏御前の前で舞を披露して慰めてやれという
屈辱的な仕打ちを祇王に対して強要します。
絶望した祇王と妹の祇女の姉妹とその母の刀自は尼になり、嵯峨野の地にやってきます。
またその後に世の無常を悟った仏御前も祇王の後を追う様にここにやってきます。
そうして4人はそのままここで念仏を唱えて暮らすという物語です。
世の無常がここまで仏の信仰を流行させた一因となっているのは間違いないでしょう。
またその後清盛もこの無常の波に飲み込まれてゆくことになるわけです。
京都・嵯峨野の地にひっそりと佇む祇王寺は、他の社寺にありがちな華やかさはありません。
たださほど広くはない苔むした庭園と竹林、そこに立つ一棟の茅葺きの庵があるだけです。
庵には大日如来を中心に祇王・祇女・刀自・仏御前と平清盛の木像が安置されています。
もともとは往生院の境内にあったものですが、荒廃して尼寺となっていたのを明治28年に
京都府知事が一棟の建物を寄付したのが現在の祇王寺の姿だそうです。
なお祇王寺には駐車場はありません。拝観料は300円かかります。
京都祇王寺の紅葉の頃、世を忍んでひっそりと生きる白拍子祇王達の面影が伺えるかも。
祇王寺の紅葉
京都嵯峨野にある祇王寺の紅葉の壁紙写真です。